第9回 ケーキの角に頭ぶつけておっちね!!!!!
どうも、ジロオです。
この前、渋谷を半ギレで歩いていたら前から全ギレの連中がやって来ましてね、
そんな無関係な人に逆ギレみたいなことされると自分の怒りもすっぽ抜けです。
ひょえええと思って道を開けました。
後から聞いた話では、
どうやらあれが最近世間を騒がすヴィーガンって方々のデモだったようですね。
彼らは色々な理由があって、肉を食うのをやめよー!
っていうポリシーを主張されてる集団です。
その活動の甲斐あって、ネット上ではもうすっかり『殴っても大丈夫な奴』として親しまれていますね、ほんとどうかと思いますが。
私としてはまぁ彼らの主張も分からなくはないかなーって気持ちです。
というのも食べ物って、結構気色悪いと思うんですよ。
なにを言ってるんだ?お前もヴィーガンにしてやろうか?
と思われている方もいらっしゃるでしょうが、まぁ待ってください。
例えば、ガストでサーロインステーキ500gをガンガン食ったとするじゃないですか。
はぁー、食った食った。
そう思って腹撫でさすってると、気色悪い笑みを浮かべたウェイターがやって来て、
「お客様が召し上がった牛さんですが・・・実はまだ生きてます!」
そんなこと言われて、奥から足のない仔牛が逆ドナドナされてきたらどう思います?
こっちを可愛い瞳でじぃっと見つめ、無言で訴えかけて来るわけですよ。
「ぼくのあんよを食べちゃったの?」
私なら半泣きでゲボですかねぇ。
食い物は「生き物の切れっぱじなんだ」と思うと途端に気味が悪くなります。
料亭なんかで、刺身の盛り合わせに魚の生首載せて来ますが、あれもどうでしょうね。
まだ新鮮な奴に『まばたき』なんかされた日にはもう、刺身どころじゃありませんよ。
獲物の首に興奮するマスラオなら良いんでしょうが、生憎ともやしっ子なもので。
そうそう、もやしと言えばこの前テメェで拵えた野菜炒め食ってたんですよ。
そしたら入れた覚えもないのに、やたらゴキブリの脚が入ってて参りましたね。
厭だなぁ、気色悪いなと思いながら砂を噛む思いで食べたので本当に不味かったです。
良く見ると焦げたもやしだったんですが。
まぁハナから出来損ないだったわけです。
そう見えてしまうものってのもありますよねぇ。
代表的なところでイチゴパフェとか。
ああ、そこにイチゴ乗っけたら目になっちゃう。
ああ、そこにポッキー挿したら触覚になっちゃう。
ああ、そんなに先をとがらせたら嘴になっちゃう。
あれ時々エビの頭ひっくり返したように見えません?
見え…ないかなぁ…
ガラスの器とキチン質の殻の違いはありますが、
がしゃがしゃかき回して軟いところをほじくり食いするとこも似ています。
エビも頭の奥の方に、ちっと美味しいクリームっぽいミソみたいなのもありますしね。
エビの脳みその啜り食いも乙なもんじゃあないですか。
まぁそんな具合で、食い物ってのは結構気色悪いんですよ。
気色悪いものがあれば人を襲わせたくなるのが人情ってもんだよ、あんちゃん。
今回紹介するのは、そんな人情溢れる下町映画です。
アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ
脚本 パノス・H・コートラス
製作 パノス・H・コートラス
製作総指揮 パノス・H・コートラス
配給 クリエイティブアクザ
公開 1999年12月24日
製作国 ギリシャ
ええっケーキがアタック・オブ・ザ・ジャイアント(巨大化して攻撃)!?
こんな映画観たらもう怖くてアタクシの大好きなケーキが食べられないわン!
と、思われるかもしれませんが、ご安心ください。
邦題ではケーキとなっておりますが、
実際にアタック・オブ・ザ・ジャイアント(巨大化して攻撃)するのは、
『ムサカ』というラザニアみたいなギリシャの郷土料理です。
日本ではあまり馴染みのない名前ですが、向こうじゃ定番のお祝い料理だそうです。
我々の感覚からすると『おせちが攻めてきたぞっ!』みたいな感じでしょうか。
だて巻きとか強そうじゃないですか!?
余計訳が分かりませんね。
謎が謎を呼ぶギリシャ映画。
かの国の財政のように破綻が見え隠れしてきたところであらすじです。
まぁ筋って程のものがある訳じゃありませんが。
あらすじ
犬も食わねぇ夫婦喧嘩からお話は始まります。
薬中のママと、金持ち以外に良いところがないパパの間に生まれた可哀想なボクくん。
晩飯毎に巻き起こる修羅場に、幼い心はギリシャ経済のようにズタズタです。
彼の唯一の慰めは、『ママの手作りムサカ』に毒を入れて野良犬に食わせること。
残念ながら、蛙の子は蛙って奴ですかね・・・
今日もベッドから抜け出し、夜のウキウキ動物虐待ピクニックに出発です。
しかし今晩は様子がいつもと違いました。
野っぱらに置いたムサカの皿が突如発光。
みるみるデカくなって人間を襲い始めて、ギリシャを恐怖のどん底に突き落とします。
一体何が起こったのか?
実はその時、上空に一隻の宇宙船が停泊していました。
スタートレックに"ビームアップ"ってあるじゃないですか。
光に包まれてビューンってワープする奴の、降下版をしてたんですね。
その降下地点に『ママの手作りムサカ feat.ボクの傷ついた心』があったからエラいこっちゃです。
何か良く分からんが、ムサカと宇宙人の身体と混じり合って、アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキの始まりです。
はてさて、この運の悪い宇宙人って一体どんな連中でしょうか?
こいつらが同情の気持ちも消し飛ぶ本当に厭きたらない連中でして。
「いやぁ~ン、混ざっちゃっちゃ!混ざっちゃっちゃ!」
「とってもたいへぇ~んよ~う!」
「ぴゃあああ~~~!!!」
みたいな喋り方をする、
同じ銀河に生まれたことが無性に恥ずかしくなるレベルのド低能どもなんですね。
そんな奴らに事態を収拾出来るわけがありません。
ムサカによる無数の犠牲者を出した後、ギリシャの財政が破綻しておしまいです。
まぁそんなこんなですね。
大筋がそんな頓珍漢なお話ですから、後はもう推して知るべしです。
オカマデブとオタクとオカマ二人のサイケデリックな四角関係なんて初めて見ましたよ。
途中、オカマデブの公務員試験など、さして興味の湧かない話が盛り沢山です。
観ていると強烈に眠くなって来るわけですが、
兎に角、ムサカがどうやって人を殺すのかが知りたくて頑張りました。
殺害シーンはちょいちょいあるんですが、
ずももも・・・っとムサカが迫ってシーンが切り替わるともう死体。
みたいなシーンばっかでもう、駄目だぁ・・・と思ってたんですが、
後半にしっかり殺害方法が描かれますので、そこは一見の価値ありです!
そうやるんだぁ・・・と思いながらの夢見は悪夢でしたよ。
遠けきオリュンポスの神々もぶったまげの今作。
ギリシャといえばオリンピック発祥の聖地でもあります。
来年にオリンピックを控える今だからこそ、観ておく価値があるのかもしれません。
俺は興味ないけど。