第7回 キングギドラも同窓会来るってよ!『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
どうも、次郎です。
なにはさておき、ゴジラですよ。
日本が世界に誇る大スター・ゴジラのハリウッド進出第3作目でございます。
愛国者の一人として、これは観らねばなりますまい。
仕事上がりのド深夜でしたが、一応公開初日に行ってまいりました。
私はずっと「ゴジラとスターウォーズの公開日は国民の祝日にするべきだ」と、
口を酸っぱくして言ってるんですが、未だに叶う気配はありませんね。
お陰で次の日寝不足でフラフラ、仕事も手につかず上司の眉間の皺は深まるばかりです。
自民党は一体何をしているんでしょうか?
ゴジラが再び東京に上陸する日を願いつつ、映画のご紹介です。
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
製作年 2019年
製作国 アメリカ
配給 東宝
監督 マイケル・ドハティ
製作 メアリー・ペアレント
アレックス・ガルシア
トーマス・タル
ジョン・ジャシュニ
やっぱりゴジラは劇場で観るに限りますね。
特にゴジラのあの、
ホキャアアアアアギュアオォン!!
という咆哮を聞くと、動物的な感動が尻の辺りからビリビリ駆け抜けていきます。
そこまで詳しい訳ではありませんが、これには本当に痺れますね!
単に音が良い、迫力があるというだけではありません。
ゴジラは徹底的にスクリーン上の大スターで、そこにしか存在しません。
ステージ上のスターと客席のファンのような関係と言えるでしょう。
こいつを映画館で聴くということは、これはもうほぼライブですよ、ライブ。
ストーンズのキース・リチャーズが目の前で演奏してるようなものと言っても過言では無いのではないでしょうか。
彼が目の前にいる、その感動ったらないですよ!
そこにデデン♪デデン♪デデデデン♪ といういつものBGMが鳴れば、もうスタンディングオベーション立ちまくり、首振りまくりってなもんです。
映画館では周囲の人に迷惑にならない程度に暴れましょう。
といったところであらすじです。
あらすじ
始まりは前作『GODZILLA』(2014年)でゴジラが上陸したサンフランシスコ。
可哀想に、がきんちょがペシャンコにされた家族の愁嘆場から始まります。
幼いがきんちょを潰された哀しみのあまり、夫婦の頭はおかしくなってしまいました。
お父さんは山へ籠って怪獣殺しの修行を積み、
お母さんは研究の末に「怪獣に人類を半殺しにしてもらおう」という結論に至ります。
いやぁ、気が狂ってしまうというのは本当に悲しいものですね。
そんな人間のこまごました事情はさておき、怪獣たちの同窓会が幕を開けるのでした。
古い友達との再会
映画のシリーズとしての『ゴジラ』の立ち位置は中々不思議なものです。
54年の初代ゴジラの公開から、ここまで長く愛され、国をまたいでまでも制作された映画は他に無いのではないでしょうか。
その長い歴史の中で、それはもう様々な作品が撮られてきました。
初代『ゴジラ』などは最早古典の一つとして数えられる名作です。
『ゴジラ対ヘドラ』は形容のしがたい奇作ですし、
こんな映画見たことない!というレベルの大傑作『シン・ゴジラ』もあります。
一方で『ゴジラ ファイナルウォーズ』のような3歳児の脳みそがこぼれた様な珍作もございますね。
今作の素晴らしい点は、そんなカオスなゴジラシリーズの中から、往年の名怪獣たちを掬い上げてきた点でしょう、大々的に宣伝してましたしね。
ゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラの『地球最大の決戦』組が一堂に会し、
まさにこれは同窓会です。
怪獣たちは当然CGな訳なのですが、何故だか妙に嬉しそうに見えます。
一体なんでしょう、この画面から伝わる幸福感。
随所に散りばめられた過去作のオマージュもさることながら、
怪獣たちの仕草が昭和のシリーズを思わせるキュートさに溢れています。
久しぶりにスクリーンに登場出来て、はしゃぎ回っているような・・・
まるでエクスペンタブルズの俳優たちのようです。
彼らがビルを蹴飛ばしたり地割れを起こすたびに、観ているこっちもニッコニコ。
特にキングギドラの左の首は今作のマスコットみたいなもんです。
お茶目して、真ん中の首にド突かれたりします。
そして、ヒールとしての役目もしっかりと心得ている辺り流石の名優っぷりですよ。
今作のキングギドラは人間をサクサクサクサクカリカリカリカリペロペロっと食べちゃうんですねぇ。
うーん、素晴らしい!
これぞ怪獣映画の文法というもの。
怪獣映画の悪役は、人間を頭から食べるべきです!
他にもアップで見ると意外とバトラっぽい顔立ちのモスラ、
恐らく今作最カワ怪獣のラドン、
改めて出てくると意外と嬉しい武藤くん、
何とも言えない脱力感がクセになる細長謎マンモス等々、
兎に角出る怪獣全部に涎ダラダラの大興奮。
これにはボケ頭の脳みそも未就学児に若返ろうというものです。
いやー最高ですね!
芹沢博士の異常な愛情
そんな怪獣たちの脇を彩る人間ドラマも今作の見どころの一つ。
子供を奪われた夫婦2人を始め、様々なキャラクターによって『人間』の『怪獣』という存在への捉え方が描かれていきます。
怪獣は打倒するべき敵なのか、共生するべき大自然の力なのか・・・
そんな中で、渡辺謙演ずる芹沢博士は特異な立ち位置です。
この人のゴジラ愛が突然吹き上がる瞬間が面白いのなんの。
「私たちはゴジラのペットです♡」
なんて真顔で言い出すもんだから、たまりません。
前作では大分抑え気味でしたが、
今作では初代『ゴジラ』で平田昭彦が演じた芹沢博士にかなり寄せてきています。
彼はゴジラが東京をのたうって、埼玉のようにしている様をウットリ眺めていた強者。
この『科学者とゴジラ』という関係性は初期作特有のもので、
あくまで怪獣たちを自然のサイクルの一部、
生物として捉えている今作は、その流れを汲むものとしても評価できるでしょう。
もういっそ、眼帯付けても良かった気もしますが、
そこはリスペクトとしてあえて外したということでしょう。
そもそも眼帯が許されるのは芹沢博士とスネーク・プリスキンだけです。
こういう下品になり過ぎない配慮が利いたところ、素晴らしいと思います。
作劇的にはサブキャラなんですけど、この人を主軸に据えた話も観てみたいですねぇ。
まぁその場合、PG-18になるからしょうがないか。
そう、PG-18といえば、一度で良いから人間が怪獣に思いっきり踏みつぶされるシーンを観たいんですよ。
今作やたら怪獣の足元を走り回る危なっかしいシーンが頻出しますので、
余計そういう気持ちが煽られて悶々としています。
やってくれませんかねぇ、ガニシュカ大帝みたいな感じで。
まぁそんなこんなですよ。
ゴジラシリーズに新たに生まれた傑作。
この『モンスター・バース』という一連の作品は今後も続いていくそうですよ。
こいつぁまだまだ暫く死ねませんね!
取り合えず今のところは予告されているところで、
ゆくゆくは『ゴジラVSジプシーデンジャー』などを夢想しつつ、
生きていこうじゃありませんか。