第5回 『レプリカズ』"キアヌいじめ"シリーズ最新作!

どうも、ジロウです。

物事には何でも相応しい時期、旬というものがありますよね。

5月の旬の物と言えばそう、いじめですね。

 

4月に始まった新生活。

新しい人間関係の中で段々序列というものが感じられてきたことでしょう。

 

先輩からの『こいつ使えねー』という目線が刺さる新社会人。

同級生からの『こいつはトロくてキモい馬鹿だな』という扱いを感じる学生さん。

 

日を増すごとに剣呑になっていく雰囲気に戦々恐々としているられっ子、

今か今かとウキウキしているめっ子、毎日楽しくお過ごしのことだろうと思います。

 

そんな旬の時期に相応しい最新映画がやってまいりました。

 

 『レプリカズ』

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監督

ジェフリー・ナックマノフ

製作

ティーブン・ハーメル
キアヌ・リーブス
ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ
マーク・ガオ

 

キアヌと言えばその滲み出る良い人感と聖人エピソードで、

柳沢慎吾並みにアンチのいない俳優として知られています。

 

実際、相当な苦労されてきた篤実温厚な方なそうで、私も大好きです。

顔も渋くて格好いいですし、ほんと完璧超人ですよね。

 

ところで私には気色の悪い性癖がありまして・・・

こういう良い人ほど酷い目に合って、困って欲しいんです。

 

世も末と言いますか、私のような人間が結構多いらしく、

キアヌを困らせよう!といった趣旨の映画は数多く制作されています。

 

『ノック・ノック』なんてその代表例ですし、

ジョン・ウィック』の序盤で犬殺されたキアヌなんていじめられっ子そのもの。

 

思えば、代表作の『マトリックス』のネオも限りなくられっ子気質でした。

あの映画の最高のシーンは、CDの読み込み方式でカンフーを習得するとこですよね。

脳みそにデータだけ送って、オタクくんが一瞬にしてドラゴンに早変わりするんです。

 

当時のボンクラたちは皆、あのシーンに大興奮でした。

「もっとやってくれ!もっとやってくれ!」 

そうねだるネオの姿はテレビの前で「俺もやってくれ!」と叫ぶ俺たちそのもの。

観た翌日に強くなった気がして、いじめっ子に挑んだ"られっ子"も多いでしょう。

あれは中々惜しいとこまでいってましたよね?

 

話が逸れましたが、キアヌという人は凄いいじめてオーラの持ち主という話です。

それでしっかり報復をこなしてますから、俺たちられっ子の心の兄貴と言えましょう。

 

そんな兄貴をいじめにやってきた今回の敵が、

あの珍シリーズ『シャークネード』の製作スタッフという極悪集団です。

 

最早存在が悪乗りとでもいうべき作品を6作も作ってきた筋金入りの悪党ども、

なんとシリーズの30倍の予算という凶器を持ってのご登場です。

 

さしものキアヌ兄貴といえども昭和生まれ。

SNS世代の権化のような悪乗り集団相手では分が悪い。

こうしちゃいられん!今すぐ兄貴を助けに行くぞ!!! 

といった、野次馬根性全開のところであらすじです。

 

あらすじ

 

『ノック・ノック』のようなハイソな生活を営むキアヌ兄貴。

今回は、脳みそをデータ化して、人の人格を機械の体に移し替えるという、

マトリックス』みたいな研究をしている科学者です。

 

どうもその研究が上手くいかず、

会社からガンガン突き上げを喰らっている辛い立場であります。

 もうこの時点で可哀想さ全開キュンキュンですよ。

 

さて、そんな兄貴が週末に家族サービスに出掛けるのですが、もう露骨です。

なんと、よりにもよって家族全員で船に乗ってで遊ぶんですって!

繰り返しになりますが、この映画は『シャークネード』スタッフ制作です。

船…海…サメ何も起きないはずが無く…

 

と、思ったら途中で嵐に遭遇して、事故を起こしちゃいます。

そっちかぁ~~~~!!!

シャーに気を逸らせてネードで仕留めるお家芸が炸裂です!

 

そんなこんなで家族全員死んじゃったキアヌ兄貴ですが、

ここからマッドサイエンティスト父ちゃんの大暴走が始まります。

 

「家族の記憶移したクローン作ったら生き返ったのと同じだろ!!!!」

と、まだ未完成の技術をアテにして会社の設備をパクり始めます。

その上で愛する家族の死体は見つかったら困るから、墓も作らずポーイ。

 

いやー最高ですねっ!

生きてるって感じがします!!! 

 

ここからのキアヌ父ちゃんのオロオロがこの映画最高の見どころです。

会社に実験器具盗みに行ってオロオロ。

家族の死体の処理に悩んでオロオロ。

 

『設備が足りなくて家族のうち一人は助けられない、誰を死なせるか』

という重大な決断を、助手の男に丸投げしようとしたら、キレ返されてオロオロ。

 

しかも、事故が無かったことにしたいので次の日にはしっかり出社しています。

 

家で死んだ家族を作りながら、

会社じゃ研究の進捗が芳しくないことを上司にチクりと刺されるストレスフル生活。

どんどん深くなるキアヌの眉間の皺!

これだ!

これが見たかった!

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・『ノック・ノック』の最高のシーン。皆これが観たいんですよ。



キアヌ兄貴は当然名優ですから、大きな悲劇ですと情感たっぷりに演じられます。

それでは抜けません!

こういう細かいストレスに晒されてこそ俺たちのキアヌ!

制作陣は本当に良く分かってますよ!

 

この映画で一番キアヌが辛そうなシーンは、

死んだ家族のSNSを、家族になりすまして更新するシーンです。

 

娘に言い寄ってくるボーイフレンドを渋い顔して牽制しつつ、

息子のゲーム仲間に付き合い、嫁の代わりに学校に休みの言い訳を送り・・・

そんな事してるけど、あと1週間以内に人格コピー技術を完成させないといけません。

オマケに会社からは実験成果の提出を求められる始末。

 

地獄のワンオペ&マルチタスクに、流石のキアヌも漬り過ぎたたくあんのようです。

全てが同時進行で、なんにも進展していないのに完全に燃え尽きてしまっています。

こういうとこ見ると、この人もちゃんと人間なんだな~って思いますよね。

 

『ノック・ノック』で可哀想過ぎて抜けなかった人も安心。

後半は戦慄のロボとーちゃんと化したキアヌ兄貴が大暴れします。

それでいて『ジョン・ウィック』ほどアクションに振れていませんので、

最後までキアヌの苦悶の顔を集中して堪能できます。

上記2作のちょうど中間辺りの、良い塩梅の作品と言えるのではないでしょうか。

 

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こんなクリボーみたいな方に、うってつけの一作です。

まぁそんなこんなですよ。

ちょっと優し気なおじちゃまが、ひしゃげていくザマを眺めたい。

そんなヘルレイザーみたいな嗜好の方に是非オススメしたい一作です。

 

まだ劇場でやってるかな?

今年はジョン・ウィックの新作もありますし、

当分キアヌいじめ成分には事欠かない一年になりそうですねぇ。